Usability

その頃僕は、コンピュータのスクリーン上に展開されるユーザーインターフェースに関して、視覚的な部分だけでなく、操作性のデザインについてもっと理論やノウハウを知りたいと思い、いろいろと本を読んでいました。

特に面白かったのは、クレメントモックの「ウェブデザインビジネス(この邦題は完全にずれてると思いますが)」、ノーマンの「人を賢くする道具」、ブレンダローレルの「劇場としてのコンピュータ」、それから少し後になりますが、ニールセンの「ユーザビリティエンジニアリング原論」あたりでした。それらを通じて僕は、認知工学やユーザビリティ工学といった研究領域、そしてインタラクションデザインやインフォメーションデザインといったデザイン領域の存在をはっきりと意識するようになりました。

クレメントモックの本にあった、ユーザーインターフェースとインタラクションが直交する概念図や、ブレンダローレルの本にあった、人とコンピュータの間のコミュニケーションが厚みを持った「経験」として両者を繋いでいる概念図は、気に入って今でもよくプレゼンテーションで使っています。

僕は身の周りのあらゆるユーザーインターフェースについて、使いにくい点を見つけては、その理由と改善方法を考えるのが癖になりました。

ユーザビリティという要素が、僕にとって最大のデザイン課題になっていったのでした。

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