Modeless and Modal

僕の中では、かなりはっきりとした二元論が形成されていました。例えばそれは「タスク指向」対「オブジェクト指向」であり、「電車」対「自動車」です。「間接操作」対「直接操作」とも言えますし、「理論」対「実験」、「リンク」対「ノード」、「キーボード」対「マウス」、「セットアップウィザード」対「Photoshop」と言ってもいいでしょう。これらは皆同じ構図を指しています。

ユーザーインターフェースの性格、もっと言えば道具の性格を決定する根源的な思想として、このような二大派閥がが存在するのです。東西の横綱です。

ユーザーインタフェースの一番基本的なデザインパターンとしてこの両者をうまく表現する言葉はないだろうかと僕は考えました。上に書いたような例を全部ひっくるめると、両者の本質は一体どこにあるのでしょうか。

僕はふと、何かの本でユーザーインタフェースのおおまかな体系をXY軸の散布図で表現していたのを思い出し、本棚を探しました。

それは、「GUI デザインガイドブック – 画面設計の実践的アプローチ(日本人間工学会・アーゴデザイン部会 スクリーンデザイン研究会 編)」という本でした。この本の最初の方に、「ユーザインタフェース・マップ」という図があって、縦軸が「論理的操作感<操作感>直感的操作感」、横軸が「目的指向<思考パターン>経験指向」となっていて、そこに ATM やパソコンや電話などいくつかの代表的なデバイスが散布されています。

マッピングの内容自体はいまいちよく分からない部分もあるのですが、僕は「思考パターン」軸の両端に書かれた文言を見て、おっと思いました。片方の「目的指向」方向には「モード領域」、もう片方の「経験指向」の方向には「モードレス領域」と書かれていたのです。

「モーダル」と「モードレス」というふたつの性質が、ユーザーの思考パターンの両極であるとする考え方に、僕は膝を打ったのでした。これはユーザーインターフェースの設計思想の両極でもあるはずだからです。僕の中の二元論は、全てこの言葉で言い表せます。「モーダル」と「モードレス」こそが、ユーザーインターフェースの世界をつかさどる両雄なのだと確信しました。

そして僕が「よいユーザーインターフェース」と感じていたものの正体は、要は「モードレス」ということだったのです。オブジェクト指向UIの本質は、モードレスであることなのです。多くのデザイン原則が共通して表そうとしている事柄とは、「直接操作」も「ユーザーコントロール」も「見たままを得る」も「即座のフィードバック」も「目的語 → 動詞」も、つまりは「モードレスであれ」ということなのです。

こうして僕は、はれてモードレス党員になったのでした。

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