Design Principles

そんなこんなで、僕は、ユーザーインターフェースの評価や設計を専門に行う会社で働くようになりました。

僕の最初の仕事は、いわゆるエクスパートレビューのための評価メソッドを作ることでした。オリジナルの評価項目を作るにあたって、僕はいろいろな資料を漁って、ユーザーインターフェースのデザイン原則と言われるものを集めました。Apple Human Interface Guidelines をはじめ、ニールセンのヒューリスティック項目や、クーパーの格言、等々。そしてそれらの中から重要だと思われるものや汎用性の高いものを抽出して整理し、20項目からなるオリジナルのヒューリスティック項目を作り上げました。このヒューリスティック項目は、その後少しずつ修正を加えながら、8年たった現在も評価案件で使われています。

僕は実案件を行う傍ら、雑誌や技術系情報サイトに記事を書いたり、セミナーの講師をやったりするようになりました。そういうものの中で僕は、よくデザイン原則を紹介してきました。例えば「直接操作」だとか「一貫性」だとかそういう項目を5個から10個ぐらい挙げて、良いユーザーインターフェースを作るために必要な考え方として説明してきました。

僕がデザイン原則的なものを紹介するのを複数の場所で見たり読んだりした人は気づいたかもしれませんが、「デザイン原則10箇条」とかなんとかそういう言い方で挙げる項目というのが、実は毎回ちょっとずつ違うのです。ある時は「ユーザーによるコントロール」というのが入っていて、別の時には入っていなかったりするのです。かわりに「迅速なフィードバック」が入っていたりとか。

要するに、自分の中で納得のいくデザイン原則がまとまりきっておらず、ああでもないこうでもないと迷っているのです。有名なコンサルタントやデザイナーが、書籍やメソッド紹介の中でいろいろなデザイン原則を掲ています。それらは皆似ているところもあるけれど少しずつ違っていて、これという定説になっていません。また項目同士があまり排他的になっていなくて、かなり近い意味合いのことを別な項目として挙げていたりします。例えば Apple のガイドラインにある「Direct Manipulation」「See-and-Point」「WYSIWYG」「User Control」あたりは、結局同じようなことを言っていないでしょうか?

そういう様々なデザイン原則あるいはヒューリスティック項目の中から似たものを集約していって整理したら、本質的には、実はものすごく少数の項目になってしまうのではないかという気がしてきたのです。

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